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きのこる先生、何してたの?~1.0から2.0へと進化した「転職クロニクル」を菌類がひもトーク

【閲覧注意】大人の時間

●お久しぶりです、きのこる先生です

 こんにちは、はじめまして。そしてもしかしたら、お久しぶりです。ソフトウエアエンジニアにして採用担当の菌類、きのこる先生です。「きのこる先生のエンジニア転職指南」以来、およそ3年ぶりに@ITで連載をさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 まずは簡単に自己紹介。Web上ではわけあって菌類の姿をしていますが、都内のWebサービス運営企業に勤務するソフトウエアエンジニアです。人事の仕事も兼務しており、エンジニアの中途採用担当として、求人に応募してきたエンジニアの書類審査や採用面接に従事しています。

 人間で計算するとアラフォーぐらいの年齢で、妻と子どもが一人ずついます。休日は子どもとバーベキューできのこを焼いたり、きのこ料理を肴に酒を飲んだり、この先生きのこるためのプログラムやテキストを書いたりしています。人間の姿でIT系のイベントや勉強会に出没することもありますが、見掛けてもどうか正体はナイショにしておいてください。

エンジニアに転職指南をしていました

 前回の連載「きのこる先生のエンジニア転職指南」は、エンジニアの中途採用担当として転属させられた時の経験を基に書いたものです。エンジニアが転職を成功させるための応募書類の書き方や転職エージェントの使い方、エンジニアとしての心掛けなどを語りました。この連載を始める前に自分で全部読み返してみたのですが……いやあ菌類、なかなかいいこと言ってますね!(自画自賛)

 Web系企業への転職を志すエンジニアの皆さんにとっては、今でも十分参考になる内容だと自負しております。手前味噌で恐縮ですが、ぜひこちらもご一読ください。

あれから3年たちました

 さて、現在は2015年。前回の連載から、もう3年もたってしまったのですね……。北陸新幹線が開通したり、山手トンネルが全線開通して日本一長いトンネルになったり、今年前半だけでもいろんなことがありました。10月には過去からデロリアンがやってきますし、12月にはフォースが覚醒します。まだまだいろんな変化がありそうだ!

 IT業界は「ドッグイヤー」といわれるほど変化の速い分野ですから、この3年でさまざまな変化が起きているはずです。IT業界に生きる菌類にも変化がありました。具体的には転職を2回しています。もちろん前回の連載を十分に活用した結果ですから、ちゃんとご利益のある連載だったといえましょう(自画自賛 その2)。

 所属した2社どちらでも、エンジニアとして開発をしつつ、中途採用担当としての仕事も続けてきました。そこで得た経験や感じた変化から、2015年に現役のエンジニアがこの先生きのこる、その手段の一つとしての「転職」について書いていきます。

●転職、バージョンアップしています

 前回の連載の最終回「転職したいITエンジニアが知るべき97のこと」には、「38.転職2.0の幕開け」という節があります。今回の連載はこのとき出てきた「転職2.0」という言葉をキーワードに、2015年式 エンジニアの転職について考えていきます。

転職1.0のおさらい

 「転職2.0」というからには、前バージョンである「転職1.0」があるはずですね。まずは「転職1.0」こと、転職サービスとエージェントを使った転職について、登場人物ごとの視点でおさらいしておきましょう。

 以下、転職しようと考えている人を「エンジニア」、エンジニアを中途採用しようとしている会社を「企業」、企業とエンジニアのマッチングを行うサービスを「転職サービス」、エンジニアが転職サービスに登録すると付く担当者のことを「エージェント」と呼びます。

エンジニアの視点から

 エンジニアは転職サービスにプロフィールを登録します。その後、転職サービスの担当者である「エージェント」と面談を行い、意向や希望を伝え、求人の紹介を受けます。興味を引かれる求人があればエージェント経由で応募し、書類選考と採用面接を受けます。スキル&ポジション&年収がマッチすれば内定のオファーが来るので、受諾して入社となります。

企業の視点から

 エンジニアを中途採用しようとする企業は、転職サービスに求人情報を掲載します。エージェントから候補となるエンジニアを紹介されるので、書類選考と採用面接を行います。スキルやポジション、年収などの条件がマッチすると判断したら、内定のオファーを出し、受諾されれば採用となります。このとき、企業は転職サービスに手数料を支払います。

転職サービスの視点から

 転職サービスは企業に営業をかけ、求人情報を集めます。また、Webや雑誌などのメディアに広告を出したり、セミナーや合同面接会などのイベントを開催したりして、転職を希望するエンジニアを集めます。求人にマッチするエンジニアがいたら企業に紹介し、採用が決まったら企業から手数料を受け取ります。

 これがエージェント型の転職、通称「転職1.0」のおおまかな流れです。中途採用のフローとしてはよくあるものなので、経験したことがある方もいらっしゃることでしょう。

転職1.0の限界

 しかし転職1.0によるマッチングでは、企業にとってもエンジニアにとっても最良の選択とはならないケースが増えてきました。エンジニアも企業も、転職という一大イベントを乗り越えてマッチしたはずなのに、あっという間に「こんなはずじゃなかった……」となる。

 企業からすると、採用したエンジニアが思ったように活躍してくれなかったり、すぐに辞めてしまったりする。エンジニアにとっては、仕事の内容が思っていたものと違ったり、働きづらい環境だったりする。そんなミスマッチの話は、残念ながら頻繁に聞こえてきます。

 どうしてこうなった?――原因を考えてみると、転職サービスのビジネスモデルがエンジニアの幸せにも企業の幸せにもマッチしていなかったのでは……という仮説にたどり着きました。

 転職サービスの主な収入源は、企業がエンジニアを採用したときに支払う手数料(採用されたエンジニアの年収の30%程度)です。一見すると妥当な仕組みのようですが、エンジニア視点での「入社した後、やりがいのある仕事ができるか」、また企業視点での「採用した後、活躍してくれるか」という点について、十分なケアがなされていない場合が多いようです。

 エージェントはあくまでも「転職のプロフェッショナル」であり、ほとんどは「ソフトウエア開発のプロフェッショナル」ではありません。企業からの要求やエンジニアの意向を技術的な側面から正しく把握し、お互いに最適なマッチングを提案する……本来はそういう存在であってほしいのですが、残念ながらそこまでの知識や経験を積んだエージェントはとても貴重である、というのが実態です。

 まとめると、「ITのプロフェッショナルではないエージェントが採用の瞬間をゴールとしてマッチングを行う」システムが、転職1.0の限界として顕著になってきたということです。

転職2.0、リリースされました

 前回の連載では、転職サービスに依存せず、ソーシャルなつながりを活用して転職することを「転職2.0」として紹介しました。IT勉強会に行って発表したり、技術的な内容をブログに書いたり、GitHubでコードを公開したり。そんな日ごろのアウトプットをアピール材料にして、直接求人に応募したり、逆に企業から声をかけられたりといったルートでの転職活動です。

 また、SNSなどでのつながりが転職に結び付く「ソーシャル転職」や、従来のエージェント型とは違う取り組みをしている転職サービスも紹介しました。このようなルートでの転職も、「転職2.0」の事例としてだいぶ定着してきたようです。

 こうして振り返ってみると、3年前は「転職2.0」のベータテスト期間だったのかもしれません。そう考えると、菌類にはなかなか先見の明があったと言えましょう(自画自賛 その3)。

●次回予告

 しかし時代はさらに変化していきます。この連載はこれから、バグフィクスやブラッシュアップを経て正式リリースされた「転職2.0」をキーワードに、エンジニアを採用しようとする企業や転職サービスの取り組み、転職したいエンジニアを取り巻く環境、そして優秀なエンジニアが働きがいのある企業で存分に活躍するために、双方が取るべき戦略についてお話しします。

 菌類もエンジニアです。エンジニアとしてこの先生きのこるための生存戦略を、皆さんも一緒に考えていきましょう。

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引用:きのこる先生、何してたの?~1.0から2.0へと進化した「転職クロニクル」を菌類がひもトーク


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